2020年、コロナ禍で仏壇付きの空き家をご提供いただきました。
140年以上何度も手直しして大切にご家族が引き継いで来られた
痕跡がいたる所に感じられる1軒屋です。
大きくリノベーションをすることもできたと思いますが、
私自身は生い立ちもあり、この痕跡自体にものづくりというか、
その裏側にあるご家族の気持ちのようなものが感じられ、
できるだけこのままで私たちも継承の一人として
手づくりを重ねたいなと思いました。
その中で一つだけ重ね入れたもの。それが友塚さんの日本畳です。
この一軒家をお引き受けしたとき、すぐに友塚さんを思い出してご連絡しました。
取り入れるなら、友塚さんの畳がぴったりだとピンときたからです。
畳の質や技術が優れているということはもちろんですが、
この家がどんな家なのか、どんな人たちがどんなふうに過ごすのか、
部屋の暮らし手のようにこちらの環境を聞いて畳を紡いでくださることが容易に想像できました。
そういった信頼がベースにあるからこそ、
私たちも大切にその技術を受け取ろうという気持ちになれますし、
長きにわたって大切にすることができると思っています。
つづく
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